「臨床心理士」(りんしょうしんりし)は、文部科学省認可の財団法人「日本臨床心理士資格認定協会」が認定する民間資格。
臨床心理学を学問的基盤に、心の問題の援助・解決・研究に貢献する専門家として認定する資格である。心理療法家・カウンセラーの資格には、国家資格が存在しない一方、民間の認定資格は多数存在する。その中で臨床心理士は、現在最も知名度の高いものである。公立学校スクールカウンセラーの資格要件になっていたり、医療機関でも臨床心理士を資格要件としているところが多い。
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養成に関しては心理系大学院の修士課程を卒業する事が必須であり、その後、臨床心理士の資格試験を受け、それに合格すると臨床心理士の資格を取得できる。(最近では九州大学等で専門職大学院が設立されている。詳しくは下記参照)大学院には、カリキュラムや訓練課程が充実し、卒業後の資格試験に合格すると資格取得できる第一種指定校と、卒業後、数年の実習が必要になる第二種指定の大学院がある。
臨床心理学の専門性と資格をめぐる1970年代の論争を経て、日本臨床心理学会を離脱したメンバーが中心となって立ち上げた日本心理臨床学会が事実上の母体となっている。
心の癒しを求める社会風潮や少子化に悩む大学のニーズを背景に資格者数を拡大して社会的認知を勝ち得る一方で、指定大学院制の導入に伴う資格認定協会の大学院カリキュラムへの介入、有資格者の技術水準のばらつきと常勤職への就職難、心理学諸学会や民間団体による認定資格の乱立といった問題が指摘されている。特に大学院カリキュラムへの介入に関しては、指定大学院制度の導入に伴って臨床心理士が他分野の研究者の常勤ポストを相当数奪ったので、他分野における臨床心理士への心証は決して良いものではない。
1995年に文部省研究事業として始まったスクールカウンセラー(SC)事業は、臨床心理士と精神科医等が行うとされていたが、事実上臨床心理士の独占であった。2001年に制度化され、現在全公立中学校にスクールカウンセラーが配置されることになり、配置基準も緩められている。しかし、首都圏では臨床心理士の独占が続いている。この事業によって、臨床心理士の認知度が高まった。
同年(1995年)の阪神・淡路大震災の際、臨床心理士が現場に赴きさまざまな活動を行ったことも臨床心理士が認知される契機となった。震災後、兵庫県には兵庫県こころのケアセンターが設立され、精神科医や臨床心理士が診療・心理療法を行っている。以後、大きな災害や事故の際、地方自治体が臨床心理士会に専門家を派遣するよう要請する事が増えた。また、地方自治体によっては、緊急時に学校に派遣できる精神科医・臨床心理士・保健師らで作られた緊急支援チームがある場合もある。
臨床心理職の国家資格化に関する議論が旧厚生省や国会で議論されてきたが、心理士団体と医師団体の調整がつかず、何度も資格化が頓挫している。最近では、2005年に立法化直前まで行ったが、日本医師会、日本精神科病院協会、日本精神神経科診療所協会、日本精神神経学会などの強い反対により、立法化に至らない。